社会福祉法人会計 事業活動計算書

第3章 事業活動計算書
1 事業活動計算書の内容
事業活動計算書は、当該会計年度における純資産のすべての増減内容を明りょうに表示するものでなければならない。
2 事業活動計算の方法
事業活動計算は、当該会計年度における純資産の増減に基づいて行うものとする。
3 事業活動計算書の区分
事業活動計算書は、サービス活動増減の部サービス活動外増減の部特別増減の部及び繰越活動増減差額の部に区分するものとする。
4 事業活動計算書の構成
(1)サービス活動増減の部には、サービス活動による収益及び費用を記載してサービス活動増減差額を記載するものとする。
なお、サービス活動費用に減価償却費等の控除項目として、国庫補助金等特別積立金取崩額を含めるものとする。(注9)(注 10)
(2)サービス活動外増減の部には、受取利息配当金、支払利息、有価証券売却損益並びにその他サービス活動以外の原因による収益及び費用であって経常的に発生するものを記載し、サービス活動外増減差額を記載するものとする。(注 14)
(3)サービス活動増減差額にサービス活動外増減差額を加算したものを、経常増減差額として記載するものとする。

(4)特別増減の部には、第4章第4第2項に規定する寄附金、第4章第4第3項に規定する国庫補助金等の収益固定資産売却等に係る損益、事業区分間又は拠点区分間の繰入れ及びその他の臨時的な損益(金額が僅少なものを除く。) を記載し、第4章第4第2項に規定する基本金の組入額及び第4章第4第3項に規定する国庫補助金等特別積立金の積立額を減算して、特別増減差額を記載するものとする。
なお、国庫補助金等特別積立金を含む固定資産の売却損・処分損を記載する場合は、特別費用の控除項目として、国庫補助金等特別積立金取崩額を含めるものとする。(注 10)(注 11)(注 12)(注 13)
(5)経常増減差額に前項の特別増減差額を加算したものを、当期活動増減差額として記載するものとする。
(6)繰越活動増減差額の部は、前期繰越活動増減差額基本金取崩額、第4章第4第4項に規定するその他の積立金積立額その他の積立金取崩額を記載し、当期活動増減差額に当該項目を加減したものを、次期繰越活動増減差額として記載するものとする。(注 13)
5 事業活動計算書の種類及び様式
(1)事業活動計算書は、法人全体を表示するものとする。事業区分の情報は、事業活動内訳表及び事業区分事業活動内訳表において表示するものとする。
また、拠点区分別の情報については、拠点区分事業活動計算書において表示するものとする。
(2)前項のそれぞれの様式は第2号の1様式から第2号の4様式までのとおりとする。

6 事業活動計算書の勘定科目
事業活動計算の内容を明りょうに記録するため、事業活動計算書に記載する科目は、別に定めるとおりとする。
7 共通収益費用の配分
事業活動計算を行うに当たっては、事業区分、拠点区分又はサービス区分に共通する収益及び費用を、合理的な基準に基づいて配分するものとする。(注8)

(注9)リース取引に関する会計
1 リース取引に係る会計処理は、原則として以下のとおりとする。
(1)「ファイナンス・リース取引」とは、リース契約に基づくリース期間の中途において当該契約を解除することができないリース取引又はこれに準ずるリース取引で、借手が、当該契約に基づき使用する物件(以下「リース物件」という。)からもたらされる経済的利益を実質的に享受することができ、かつ、当該リース物件
の使用に伴って生じるコストを実質的に負担することとなるリース取引をいう。
また、「オペレーティング・リース取引」とは、ファイナンス・リース取引以外のリース取引をいう。
(2)ファイナンス・リース取引については、原則として、通常の売買取引に係る方法に準じて会計処理を行うものとする。
(3)ファイナンス・リース取引のリース資産については、原則として、有形固定資産、無形固定資産ごとに、一括してリース資産として表示する。ただし、有形固定資産又は無形固定資産に属する各科目に含めることもできるものとする。

(4)オペレーティング・リース取引については通常の賃貸借取引に係る方法に準じて会計処理を行うものとする。

(5)ファイナンス・リース取引におけるリース資産の取得価額及びリース債務の計上額については、原則として、リース料総額から利息相当額を控除するものとする。
2 利息相当額をリース期間中の各期に配分する方法は、原則として、利息法(各期の支払利息相当額をリース債務の未返済元本残高に一定の利率を乗じて算定する方法)によるものとする。
3 リース取引については、以下の項目を財務諸表に注記するものとする。
(1)ファイナンス・リース取引の場合、リース資産について、その内容(主な資産の種類等)及び減価償却の方法を注記する。
(2)オペレーティング・リース取引のうち解約不能のものに係る未経過リース料は、貸借対照表日後 1 年以内のリース期間に係るものと、貸借対照表日後 1 年を超えるリース期間に係るものとに区分して注記する。

(注 10)国庫補助金等特別積立金の取崩しについて
国庫補助金等特別積立金は、施設及び設備の整備のために国又は地方公共団体等から受領した国庫補助金等に基づいて積み立てられたものであり、当該国庫補助金等の目的は、社会福祉法人の資産取得のための負担を軽減し、社会福祉法人が経営する施設等のサービス提供者のコスト負担を軽減することを通して、利用者の負担を軽減することである。
したがって、国庫補助金等特別積立金は、毎会計年度、国庫補助金等により取得した資産の減価償却費等により事業費用として費用配分される額の国庫補助金等の当該資産の取得原価に対する割合に相当する額を取り崩し、事業活動計算書のサービス活動費用に控除項目として計上しなければならない。
また、国庫補助金等特別積立金の積立ての対象となった基本財産等が廃棄され又は売却された場合には、当該資産に相当する国庫補助金等特別積立金の額を取崩し、事業活動計算書の特別費用に控除項目として計上しなければならない。
(注 11)国庫補助金等特別積立金への積立てについて
会計基準第4章第4第3項に規定する国庫補助金等特別積立金として以下のものを計上する。
(1)施設及び設備の整備のために国及び地方公共団体等から受領した補助金、助成金及び交付金等を計上するものとする。
(2)設備資金借入金の返済時期に合わせて執行される補助金等のうち、施設整備時又は設備整備時においてその受領金額が確実に見込まれており、実質的に施設整備事業又は設備整備事業に対する補助金等に相当するものは国庫補助金等特別積立金に計上するものとする。
また、第4章第4第3項に規定する国庫補助金等特別積立金の積立ては、同項に規定する国庫補助金等の収益額を事業活動計算書の特別収益に計上した後、その収益に相当する額を国庫補助金等特別積立金積立額として特別費用に計上して行う。

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